パチンコの話題 パチンコ依存症

旧基準機の設置延長が決定

2020年5月15日

入れ替えが必要だった旧基準機のパチンコ台の設置を最大1年延長すると警察庁から発表がありました。
これで特定機種以外の旧基準機は即撤去されず、延長して使用することができるようになりました。

これは業界6団体(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商)が5月1日付けで、警察庁宛てに要望書を提出しており、それが受理された形です。

元々はギャンブル依存症対策としてパチンコの場合は出玉の上限を3分の2程度に抑えた新機種(P機)へ順次入れ替える予定で、同様にパチスロも同様に5号機から6号機(最大2400枚獲得)へ移行予定でした。(風営法施行規則は2018年2月に施行)

それぞれ検定が終わる機種から順次撤去され、完全に移行が完了するのが2021年の1月でした。それが最長で2022年1月まで延長されるということです。

出典:パチンコ出玉抑制機入れ替え、猶予延長(読売新聞)

 

部品の輸入困難が原因?

記事の内容として、延長理由が「海外からの製造部品が困難になっているため」とのこと。現状の状態を鑑みて判断したと思われます。

実際に2021年1月までの撤去台数全国で、パチンコでおよそ180万台。スロットでおよそ110万台。(2020年3末)

実際にこれを全て入れ替えるのは不可能でした。特に中小零細のパチンコ店は台の入れ替えができずに店を閉めるところが続出するという予想までありました。

1台40万円としても、合計290万台入れ替える際に発生する費用は、約1兆1600億円という途方も無い数字が出てきます。これを全国のパチンコ店約9000店舗で割ると約1億3000万円です。

これだけの費用を捻出できるところ少ないでしょう。そういった意味では台を1年延長することで生き延びる店舗も多くなりそうです。

特にスロットは人気機種の「ジャグラー」や「沖ドキ!」については店側は喜んでいるでしょう。
ジャグラーは中高年人気が高いノーマル機であり、数十台規模で設置してある店舗がほとんどです。
また、沖ドキも固定客が付くくらい人気がある爆発機です。

また、残念ながら高射性パチプロと呼ばれる「サラリーマン番長」「ミリオンゴッド神々の凱旋」等は延長後の撤去日は変わりません。

■撤去期限日
・アイムジャグラーEX-KT(2020年6月21日)→ 2021年1月21日 7ヶ月間延長
・マイジャグラーⅢ(2021年1月31日)→ 2021年8月31日 7ヶ月間延長
・マイジャグラーⅣ(2020年12月17日)→ 2021年7月17日 7ヶ月間延長
・沖ドキ!(2020年6月1日)→ 2020年12月31日
・聖闘士星矢海皇覚醒KH(2020年6月5日)→ 2020年12月31日
・サラリーマン番長(2020年8月10日) → 変わらず
・ミリオンゴッド神々の凱旋(2020年11月16日)→ 変わらず
・5.5号機 → 2021年11月30日まで延長

警察庁とパチンコ業界

警察とパチンコ業界は共存関係にあります。かなりずぶずぶな関係です。

この自粛期間中、休業要請を無視し続けてきたパチンコ店が大々的に取り上げられましたが、警察は一切関与しませんでした。それどころか自粛中に新台設置の許可を与えていたのです。

今までもギャンブル性が指摘されれば規制され、その後パチンコ業界が弱体化してきたらそれを解除。そしてまた規制し、また解除。それの繰り返しでこのグレーな業界は生き延びてきました。

今回も警察庁へ泣きつく形での延長です。今回の件がなくとも、おそらく秋冬あたりには何らかの緩和策が行われたことでしょう。

台の入れ替えを強制するやり方で一番被害を被るのは、打ち手であるユーザーです。台の入れ替え費用は、結局すべて客側が負担することになります。パチンコ遊技人口が減っている昨今、パチンコ店が潰れない限りは一人あたりの負け額は大幅に増えていくことでしょう。

ギャンブル性のある台が1年間延長されると、客もパチンコ店も喜びます。しかしギャンブル依存の観点からは残念な結果と言えるでしょう。

 

-パチンコの話題, パチンコ依存症
-, ,