ギャンブル依存症は誰にでも起こり得る病気です。ギャンブル依存症の場合はお金がからんでいます。
だからより苦しみが深く、問題がより大きいのです。
釣り好きも車好きも度を越せば依存症になります。ですが、自分の生活を滅ぼすほどに借金をする依存症はギャンブル依存症だけです。そのギャンブル依存症のうちの9割はパチンコ・パチスロが占めています。
まずは自分がギャンブル依存、パチンコ依存症であることに気づくことです。気づかないことには適切な治療を行なうことができません。
ギャンブル依存症のご家族の場合は、まず本人に自覚してもらうことが大切です。そこに気づかない限り何の解決にもなりません。
ここではいくつかギャンブル依存症を治すための方法を紹介しています。
自助グループ
自助グループとは、パチンコなどのギャンブル依存症に悩んでいる人達が集まります。そこで、回復するためのハンドブックの読みあわせを行なったり、その会のテーマや自分の近況などを共にわかちあいます。討論や意見の言い合いなどは行いません。ただ聴くことに徹します。自分と同じように悩んでいる人達がたくさんいるとがわかるだけでも安心できます。
ここで紹介するのは、ギャンブル依存で苦しんでいる本人向けのギャンブラーズ・アノニマス(GA)、家族や友人向けのギャノマンを紹介します。
ギャンブラーズ・アノニマス(GA)
自助グループとは、ある障害を持つ者同士が互いに励まし合いながらその障害を共に克服していくための集団のことです。
その中でギャンブル依存で一番有名なところがギャンブラーズ・アノニマス(GA)です。
このGAは日本だけでなく、世界中で活動しています。アノニマスというのは匿名性という意味なので誰にも知られる心配がないという意味です。
GAには多数のグループが存在します。
そのグループが毎週1回、2回などミーティングを行なっています。
ちなみに、関東では以下のグループがミーティングを開催しています。
- 茨城4グループ
- 栃木1グループ
- 群馬2グループ
- 埼玉4グループ
- 千葉6グループ
- 東京14グループ
- 神奈川16グループ(女性限定2グループ)
- 山梨5グループ
GAに参加するにはお金はかかりません。事前の連絡も必要ありませんので、自分の好きな時に近くの会場に行く形です。
女性の方も多数参加していますし、若い方から年配の方まで様々な人が参加しています。
運営を行なっているメンバーもほとんどがギャンブル依存に苦しんでいた人達です。
ギャマノン(GAM-ANON)
ギャマノンは、ギャンブルの問題の影響を受けた家族・友人のための自助グループです。
GAと同様、ギャンブル依存症本人の家族・友人という同じ立場の人達が集まってミーティングを行います。
関東では以下のグループがミーティングを開催しています。
- 茨城5グループ
- 栃木3グループ
- 群馬3グループ
- 埼玉7グループ
- 千葉10ループ
- 東京20グループ
- 神奈川10グループ(女性限定2グループ)
- 山梨1グループ
ギャンブラーズ・アノニマス(GA)とギャマノン(GAM-ANON)の2つを紹介してきました。
共に自助グループ(寄付など)で開催しているため、医師やカウンセラーは同席していません。
ですが他の人の話を聴くことで「ギャンブルで苦しんでるのは自分だけじゃないんだ」という孤独感から開放することができます。
ギャンブル依存に関わる本人も家族も、何かしらの孤独感があるケースが非常に多いのでともに克服を目指す仲間ができるのがメリットです。
公的機関を利用する
ギャンブル依存症へのサポートは市区町村の公的機関でも行っている場合もあります。
福祉保健局に専門家を配置している場合もあります。
また特定非営利活動法人「リカバリーサポート・ネットワーク」というところがあり、ここはパチンコ・パチスロに伴う依存症の支援を行なうことを目的として設立された相談期間です。
よくパチンコ店などのトイレに貼られているのを見たことがあるかもしれません。
こちらは相談料はかかりません。パチンコ・パチスロ関係団体がお金を出し合っています。
ですが通話料はかかります。
- 一般加入電話からは3分11.6円
- 携帯電話からは1分15.75円から42円
- PHSからは1分10.5円から42円
- 公衆電話からは18.5秒で10円。3分の場合は100円程。
パチンコ団体がパチンコ依存症を作り出しているので、ギャンブル依存をサポートするのは当たり前の気がしますが、電話代は有料です。。
携帯から30分かけた場合、最大1260円もかかります。公衆電話でも1000円。ここはフリーダイヤルにしてほしいところです。
カウンセリング(精神療法)
主に医療機関や私設のカウンセリングルーム、心理相談室などで行われています。
1回のカウンセリング時間はおよそ45分~60分程度が一般的です。通常は週に1回、あるいは隔週で定期的に通います。
カウンセリングでは相談者のことを「クライアント」、相談を受ける専門家のことを「カウンセラー」と呼びます。
初めはカウンセラーの質問に対してクライアントが話をするという形で進みます。カウンセラーから積極的に助言をすることは少なく、クライアントが話をするなかで、自分を見つめ直していくことが目的です。
話をしているうちに、不思議と自分で気づくことがあります。
「自分は今まで散々お金をつぎ込んできたのはなぜだろう」
「それに対して得たものはなんだったのか」
「なぜパチンコだったのだろう」
「パチンコを打つ意味はなんだろう」
「いままでなんて無駄なことをしてきたのだろう」
「家族に対して子供に対して自分はなんて冷たく接してきたんだろう」
こういった気づきが自分自身の中で起きてきます。
そこで初めて自分自身を客観的に、そして冷静に見ることが出来るのです。
カウンセラーは話を引き出すプロです。いろいろな質問を受けているうちに、自分の本当の声に気づくことができるのです。
薬を使って治す(薬物療法)
薬を使ってギャンブル依存症を治す方法です。
薬物療法は、総合病院内の精神科・心療内科、メンタルクリニックなどで行われます。
カウンセリングと違うところは、国家資格をもった医師がいるかどうかです。
通常の病院と同じく医師との対面による問診や診察を通して病名を特定していきます。
ちなみにギャンブル依存症の場合は「病的賭博」と診断されるかと思います。
病名がわかれば、後はその症状にある薬を処方するだけです。
薬については、人によって合う合わないものがあります。定期的な診察を通して薬の処方を変えて行きます。
ギャンブル依存症は脳の伝達系に何らかの問題が起こっているのではないかと言われています。
そこを改善する薬を処方するのです。
精神科の薬というのは規制が厳しくたくさんの量が出せません。そのせいで常に精神科等は混み合っています。1人の患者に1時間などゆっくりと診察できないのがデメリットです。
入院治療
入院治療が受けられる医療機関は残念ながら少ないのが現状です。全国にも数えるほどしかありません。
現実的には医療機関ではなく、NPO法人などが提供する入所式の更生プログラムを生活しながら行なう方法です。
セルフケア
自分自身でギャンブル依存症を克服するものです。
自分でギャンブル依存と自覚してそこから抜け出そうとしても、なかなかうまくいきません。
もうパチンコには行かない等の「高すぎる目標」を掲げると、それが達成できなかったときに大きな自己嫌悪に陥ります。
そんなに簡単に目標が達成できるのであれば、そもそもギャンブル依存にはならないはずです。
ここはスモールステップといって、大きな目標をいくつかの小さな目標に変えることです。
・パチンコは週に2回まで
・パチンコに使うお金は1万円まで
・日曜日にはパチンコ店にはいかない
これらを守ることができれば、また目標を変えていきます。
一度つまずいたら、再度元の目標に戻ることが大切です。
こちらも是非お読みください。
参考:パチンコ依存症の克服 解決策まで