お金について色々と

住宅ローンの恐怖

2010年1月2日

日本は不景気の真っ只中です。
失業者は増え続け、収入も減り続けています。
そんな中、住宅ローンを支払えなくて苦しんでいる人が大勢います。

払えなかったらどうなるのか?

その場合、銀行等の住宅ローンの滞在が3ヶ月続けば一括返済を求めてきます。
それも事務的にです。
一括返済できなければ、いわゆる不良債権になります。
不良債権になれば、マイホームは『競売』等に掛けられます。

 

ゆとりローンの罪悪

たとえ家が売れたとしても二束三文にしかならず、借金(ローン)は残ったままになり、新たに家を探さなければなりません。そのお金は一体どうしているのでしょうか?
今そのような人たちが大変な苦労をしているんです。

少し前に住宅金融公庫の『ゆとりローン』なるものがありました。

簡単に言えば、最初は金利を低くして給料が少ない若いうちでも払えるようにしますよ、その代わり給料が上がる将来にはその分金利を上げますよというものです。
いわゆるアメリカのサブプライムと似ているところがあります。あちらは、低所得者向けローンではなく、信用度の低い人向けローンになります。

そのゆとりローンは、バブル後の景気回復を狙う政府の方針で、93年に登場しました。
当初5年間の返済負担を軽くするようにして、若い世代や低所得者層が住宅融資を受けられるようにしたものです。

「頭金ゼロ、家賃並みの返済額で住宅が買える」という謳い文句に引き寄せられて93、94年のたった2年間の間に、住宅金融公庫から新規借入れした約110万世帯の中で、71万世帯がゆとり返済を利用したのです。およそ65%ですね。

「ゆとり返済期間が終了する5年後には景気も回復し、給料も地価も上がっている」と強調して公庫は利用者を募りました。その勧誘に乗って、本来なら家を保有するには早い若年世代や低所得者までが住宅を購入したのです。それまで6兆円台で安定していた公庫の新規貸し出しが、94年に一気に17兆円余りに増えました。

ゆとり返済はもともと、収入が増えることを前提にした制度です。ところが、景気は悪化する一方で、地価は下げ続け、賃金は横ばいか減少しています。
しかもサラリーマンは企業のリストラや早期退職希望などもあり、失業者は急増しているのです。この状況では、ゆとり返済期間が終了して、大幅に返済額が増えれば、滞納者やローン破綻者の続出が出ても当然といえるでしょう。

結局、「夢のマイホームローン」として脚光を浴びていたゆとりローンは、平成12年(2000年)4月に廃止されています。現在では国家ぐるみの巨大詐欺では?との声もあります。

現在の状況としては、平成14年頃からこのローンを利用していた方の自己破産・個人再生が急激に増えこれは平成20年にピークに達すると言われている事から「平成20年問題(2008年問題)」として「団塊の世代の大量退職」と共に深刻な社会問題となっています。

ゆとりローンの当初の5年間の金利は2%でした。
ちなみに、大手銀行の主な住宅ローンはどれくらいなのか見てみましょう。

三菱東京UFJ 固定2年)3.10 固定5年)3.60 固定10年)4.25
みずほ銀行   固定2年)3.05 固定5年)3.55 固定10年)4.20
三井住友銀行  固定2年)3.10 固定5年)3.60 固定10年)4.25
りそな銀行   固定2年)3.10 固定5年)3.60 固定10年)4.10

(例)3000万円を35年間、金利4.25%で借りた場合
(ボーナス時20万円)

毎月の返済額:13万6千円
ボーナス月 :14万1千円(毎年2回)
1年間の返済額 :164万8千円
返済総額:5769万円

元金3000万円に対し、2769万円の利息が発生することになります。
なるべく頭金を貯めて、短い期間で住宅ローンを組みたいものですね。

 

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