闇金・詐欺業者はこう騙す

闇金業者はこう騙す。被害にあわないためには(前編)

2009年6月29日

【更新日】2017年7月25日

以下のケースは実際に行政処分になった事件を紹介します。

1.タクシー運転手を対象に大幅な利息を請求

2.新聞やチラシなどで反響を募り高金利で融資を行なう

3.年金受給者を対象にした闇金業者

4.名簿屋から名簿を入手して闇金を行なう

 

タクシー運転手を対象に大幅な利息を請求

タクシー運転手を対象に高利貸を行なっていたケースです。

業者の手口としては、融資額は概ね10万円から20万円。ただし貸付の際に手数料という名目で2千円から5千円を天引きする方法で融資を行なっていました。

返済は借りたお金の8%の利息を上乗せした金額を毎月の返済額として、5ヶ月から8ヶ月程度の分割で支払わせていました。

実際に被害にあった東京都在住の男性は、10万円融資するにあたり、手数料(みなし利息)を5千円引いた額9万5千円を5回に渡って返済させ、利息として4万5千円を支払っています。

借りたお金の8%は8千円になります。
それを5回に渡って支払うので合計4万円。
最初に差し引いた5千円を足すと合計4万5千円。

これにより法定利息合計7,260円を大幅に超える合計3万7,740円の利息を得ていたことになります。

利息制限法で定められている法定金利

金額 法定金利
元金10万円未満 20%まで
元本10万円以上100万円未満 18%まで
元本100万円以上 15%まで

法定金利は以上のように制限されています。この法定金利以上でお金を貸すと罰せられます。貸出金額が高くなればなるほど、利息は低くなります。

上記ケースでは10万円借りたということで、本来であれば上限利息は20%までです。
ですが、実際は年利92%の利息を受け取っていました。

9万5千円借りて、14万円支払ったことになります。

数万円で大したことないと思うかもしれませんが、多くの人にお金を貸していたためにその得たお金は膨大ですし、そもそも最初から5千円間引くところが闇金業者の常套手段といえるでしょう。

新聞やチラシなどで反響を募り高金利で融資を行なう

以下は、行政処分の対象となって実際のケースです。(引用元:東京都報道資料)

当業者は、スポーツ新聞やチラシに広告を掲載して顧客からの反響を募り、来店させて融資を行なう方法で貸付を行なっていました。

融資額は概ね5万円から10万円を限度とし、15日間の短期貸付に対して、貸付金額の15%から20%の利息を支払わせていたのです。

また、利息を元本に上乗せして一括返済させることを基本とし、一括返済できない場合は利息だけを返済させ続けるという方法で営業をしていました。

ある神奈川県在住の男性に6万円の融資を行い、3ヶ月の間に5回に渡り利息として合計9万円の返済を受けていました。

この返済により、実際には法定利息の合計3,648円を大幅に超える合計8万6,352円の利息を得ていたことになります。

危険な媒体はたくさんあります。

上記業者は、スポーツ新聞、新聞折り込み広告、雑誌、ビラ広告、DM、看板、ホームページ、メールマガジンなどで、低金利、無担保無保証、クレジットカードで現金化、無審査、ブラックOK、即融資、等の内容で集客していました。

上記のような内容で触れ込みが合った場合、ほぼ闇金といえるでしょう。通常ではありえない言葉で誘ってきます。

騙されないためにも闇金の手口を理解しておきましょう。

年金受給者を対象にした闇金業者

以下は、行政処分の対象となって実際のケースです。(引用元:東京都報道資料)

この業者は長期にわたって貸金業を営んでおり、古くからの顧客や、顧客の紹介する客を対象に貸付を行っていました。顧客の中には年金を受け取っている高齢者も多く含まれていたのです。

業務は店頭での貸付を原則とし、契約時に月6パーセント相当額の手数料を天引きした上で貸付け、返済は年金が振り込まれる月に一括、または分割して返済させる方法でした。

この業者は都内在住70代の女性に対して、3ヶ月の間に3回に渡って貸付け、その合計は42万円。
しかし実際は手数料名目として合計6万9千円を天引きし、35万1千円であるにもかかわらず、合計42万円の返済を受けていました。

これにより、法定利息合計1万2,714円を大幅に超える合計5万6,286円の利息を得ていたのです。
なおこの業者は、女性の年金が振り込まれる口座の通帳及びキャッシュカードを預かっていたのです。

通常やキャッシュカードを預かるのはかなり悪質なケース

上記の実例はかなり悪質なケースだと思います。

年金受給の高齢者も多く含まれており、振り込まれる口座の通帳やキャッシュカードも預かっていたとのこと。

本人にとっては、この通帳やキャッシュカードが生きていくうえでの生命線です。これを人質に取られているわけです。もう逃げようがありません。

70歳を過ぎると正常な判断が出来ない場合が多くなります。オレオレ詐欺等の被害者はそういったお年寄りです。今は年金受給者や生活保護受給者を対象とした「貧困ビジネス」が広がっています。

近くに相談できる人がいないことが問題なのかもしれません。

名簿屋から名簿を入手して闇金を行なう

以下は、行政処分の対象となって実際のケースです。(引用元:東京都報道資料)

この業者は、名簿屋から入手した名簿を元に電話により顧客を勧誘していました。

融資額は概ね10万円から30万円までの小口融資で、貸付に際して、手数料2千円を事務手数料名目で天引きしていました。

返済は元金に利息を含めた金額の一括返済を基本とし、一括で返済できない場合には概ね30日ごとに利息だけを返済するという方法。
利息については、30日間で融資金額の3割を超える額を受け取っており、営業開始当初から高金利違反となる貸付けを行なっていました。

この業者は埼玉県在住の男性に、4ヶ月に渡って4回に渡り貸付を行いました。
合計32万円の融資を行っており、1回あたり2千円の手数料を受け取り合計で8千円の天引きしたうえで、各支払いごとにさらに3万円の利息を受け取り、合計12万8千円の利息を支払わせていました。

これにより法定利息合計7,542円を大幅に超える合計12万458円の利息を得ていました。

最初に手数料として8千円。
各支払いごとに3万円の利息で計12万円(4回)

8千円と12万円で、合計12万8千円の利息となります。

31万2千借りたにも関わらず、4ヶ月足らずで44万円支払うことになったのです。

名簿屋はあらゆる顧客データを扱っています。

今回の業者は名簿屋から名簿を購入し、そこから顧客を集めていました。

名簿屋はどのような顧客データを持ち合わせているのでしょうか?
以下は一例です。

  • 銘柄付き未公開株取引者 13,468件
  • 高額健康器具購入者 4,942件
  • 未上場株式会社勤務者 789,453件
  • FX投資家 5,277件
  • 和牛オーナー投資家 34,094件
  • 未公開株取引者  4,524件
  • 勤務先データ 78,446件
  • 会社員名簿(4社) 18,283件
  • 経営者・役員データ 1,087,558件
  • 競馬予想会社会員 3,988件
  • 先物商品取引者  2,687件
  • インターネット通信販売利用者  97,920件
  • 企業経営者データ  41,335件
  • 訪問販売購入者  55,132件

上記のような名簿が裏で取引されているのです。

売値も1件1円以下から、数十円、中には100円以上というのも存在します。

今は毎日何処かで個人情報が流出しています。マスコミ報道分だけではありません。
気づかずにインターネットで個人情報等を公開している会社も多いのです。

他にも元社員が顧客データを持ち去り、名簿屋に売って利益を得ているケースもあります。
マスコミにも大きく報道されていますし、もう稀なケースではなくなっています。

闇金業者はこう騙す。被害にあわないためには(後編)

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