闇金・詐欺業者はこう騙す

ヤミ金 業者は隣のオバチャン

2009年10月17日

闇金に関連するニュースが報道されていました。

闇金業者と言えば、闇金ウシジマくんのような、いかついた風貌を思い描きます。
ですが、この闇金業者は女性二人のおばちゃんだったということです。

ヤミ金融被害者を支援している「いちょうの会」は、貸金業法違反と出資法違反の疑いで女性二人を大阪府警に告発しました。

この二人は生活保護受給世帯の多い地域で闇金を営んでいたのです。

 

口コミで顧客を増やす闇金おばちゃん

いちょうの会は「地域に根ざした手口で、生活や人間関係を破壊しており悪質」と伝えています。

この告発状によると、二人は貸金業登録をせずに、大阪市内の無職女性(65歳)ら4人に対して、法定を超える年60%以上の金利で計90万円を貸し付けたとされています。

二人は「客を紹介すれば紹介料を出す」と持ちかけて金を貸しており、担保として年金証書や預金通帳、キャッシュカードを徴収するケースもあったとのこと。

通常の3倍以上の利息にもかかわらず・・・

年60%というのは、通常の利息の3倍以上です。それにも関わらず、70人以上の人にお金を貸し付けていました。

ここでのポイントは3つです。

  • 1つ目は、生活保護需給世帯の多い地域での闇金活動
  • 2つ目は、口コミで顧客を増やす(紹介者制度)
  • 3つ目は、知人の高齢者や主婦をターゲットにしている

この手口は貧困ビジネスに近い形を取っています。
貧困ビジネスとは、経済的に困っている人達をうまくターゲットにしてお金を稼ぐビジネスです。

普通のおばちゃんの身なりということもあり、闇金業者であることの認識は薄い。
そのため多少年利が高くても「すぐに返せばいいか」ということで気軽に借りていたのだと思います。

そしてここには紹介者制度というものがあり、客を紹介すれば紹介料を支払うというまるでネズミ講のような手口。

知人の高齢者や主婦をターゲットにしており、消費者金融でお金を借りにくい層をうまく取り込んでいます。高齢者を上手くだまして無理やりお金を借りすように仕向ける紹介者もいたかもしれません。

闇金や金融業者には気をつけるが、知人からの紹介だからと信用してしまう。

担保として年金証書や預金通帳、キャッシュカードまで徴収するやり方はかなり悪質な手口です。
借金を抱え誰にも相談できず、切羽詰まった状況でお金を借りることが出来た場合はもう従うしかありません。それ以外に選択肢がないのですから。

まだまだ専業主婦をターゲットにした闇金が増える可能性も

似たような手口として、フィリピン国籍の女性に限定して、高金利でお金を貸す闇金業者が神奈川県警に逮捕されました。
この業者は「グローバルプラン」といい、東京、神奈川、埼玉など関東、東海など、10都県以上の約800人に金を貸し、1億2500万円以上の利息を得ていました。

「フィリピン人は仲間意識が強いので集客がある」
客に困らないので、フィリピン人に絞ってお金を貸したとのこと。

2010年の貸金業法により、一定の収入があっても年収の3分の1以上の借入はできなくなりました。
特に専業主婦はお金を借りにくい状況です。パチンコなどのギャンブル依存が増える中、夫に内緒で借金で苦しんでいる人は大勢います。

このような一般市民に紛れ込んで高利でお金を貸す闇金は今後も後を絶たないでしょう。

 

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