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ナニワ金融道 青木雄二語録 1

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青木雄二さんの書いた、「ナニワ金融道」という漫画があります。
1990年から1997年にかけて、週間モーニングで連載されていたものです。

内容は、貸金の世界に身をおいた一人の若者の成長を描いたもの。当時は夢中で読んでいました。
この漫画を通じて、貸す側の心理、借りる側の心理など、そして貸金のことについて、またこの世の中の矛盾についていろいろと勉強になりました。
コミックは1巻から19巻まで出ており、読み応え十分です。

青木雄二さんは、肺がんにより58歳の若さで亡くなられました。

その背表紙に書かれていた、青木雄二語録を掲載します。
作者の本音が読み取れます。

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ナニワ金融道 語録

以下、ナニワ金融道のコミックの表紙裏に書かれていた、青木雄二さんのコメントを載せてみました。(古い内容も含まれます。)

第壱巻

僕たちが子供のころ、担任の教師から「金の貸し借りはするな」とか「借りたものは返すこと」と教わってきました。その教訓も大人になって一歩社会に出ると、ひっくりかえってしまいます。あの先生も自宅を新築する時は、やっぱり金を借りたはずなのです。社会が進歩するにつれて金の貸し借りも増大し、さまざまなトラブルが発生します。ところが社会の進歩にもかかわらず、トラブルの大きな原因の一つである保証人制度だけは昔のままで、現在も厳然と存在しています。保証人制度は自由経済に不可欠なものでしょうか?それともいつか、なくなる時代がくるのでしょうか?いずれにせよ、カネにまつわる悲喜劇がなくならないうちは、僕も漫画の材料には困らないはずなのですが。

第弐巻

小学校時代、学級委員長は成績のいいヤツと相場は決まっていました。ある時、いつも同じ顔ぶれではつまらないからと仲間をそそのかし、いしhばん成績の悪いA君に投票をする計画を立てました。正の字がどんどん増えて行く時のA君の異様な顔つきを今でも忘れることができません。とうとう彼は泣き出してしまい、異常事態に気付いた先生は選挙のやり直しを命じました。選挙違反の子供版です。ところで大人の選挙は、地位・名誉・権力・金等、あらゆる欲望に直結するので皆必死です。当選者陣営から一人でも違反者を出したら、即座に当選無効と決めればいいのですが、法律を作るのが当選者なのだから手も足も出ません。庶民としては、せいぜい選挙の現実を直視するぐらいしか方法はないようです。

第三巻

運転手募集、初任給40万、大手運送会社。友人のK君が面接を受けて合格し、保証人と署名と捺印をもらうように言われました。「そんなヤヤコシイならもうええ」と言うと、あわてて「形だけのもんやし頼むわ」となだめられたそうです。「青木さん、嫌やったら遠慮のう断ってもろてええんですけど」と電話があり、僕は彼の誠実な性格を知っていたから引き受けました。保証人を頼むのは嫌なものですが、彼は家族を養わなければなりません。弱いものがいつも不利なことを押しつけられます。企業が判断して人を雇うのに、リスクはすべて保証人にかぶせるというのはおかしいです。保証人制度は廃止すべきです。僕は、彼を時々訪ねて監視する義務を負いました。それにしても大企業は傲慢です。いまだに僕のところへ手紙の一本の挨拶もありません。

第四巻

僕の若い頃、お金を借りるのは質屋さんでした。必要な品物を入質した時ほど不便なものはなく、もし当時サラ金があったら僕も手を出したと思います。腕時計を流したこともありました。でもそれで貸借関係は終わります。しかしカードやサラ金の多重債務者は時計を流すように簡単には債務から抜け出せません。なぜ家庭で、なぜ学校できちんと教育しないのでしょう。金を借りやすいからこそ、スピードを出しやすいからこそ、性が乱れているからこそ、目をそらさずに真正面から教育すべきなのに、世の親も学校も金融業者も、子供を問題から遠ざけるだけで問題が解決すると信じているみたいです。異質な者を排除することが教育だと思い込んでいる大人が多すぎます。借金の利子には貸倒れのリスク分が含まれているのです。大人が自らの怠慢の罪も省みず、自己破産に追い込まれた人だけを非難する姿ほど醜いものはありません。

第五巻

バブルが崩壊した今、自分に問うてみたことがあります。「お前は不動産が欲しいか」と。それでも即座に欲しいと思いました。老後が心配だからです。立地条件の良い土地にビルを建て、家賃収入で食っていければ老後も心配ないと思ったのです。しかしひとつひっかかることがあります。それは、みんなが不動産を手に入れれば、だれも借り手がいなくなることです。つまり、不動産を買いたくても買えないという人が多数いない限り、このプランは成り立たないわけです。「自分だけ良ければそれで良いのか」という問題です。今、日本の持ち家率は6割を超えたそうです。ビルや貸し家の空室率も驚くほど高いそうです。バブルが発生し、はじけたのも、自分さえ良ければそれで良しとする日本人の割合が人口の半数を超えてしまったからかもしれません。

第六巻

なし

第七巻

中小企業の念願は、自社ビルを持つことかもしれません。かつて会社を経営していたころ、店子の悲哀を味わったことがあります。社員が増えて移転したら、家賃は15万円なのに家主から22万円の請求を受けたのです。うち電気代が5万円。前の事務所では8000円ですから、この請求はムチャクチャです。ところが電力会社によると、仕入れた電気を家主が店子に小売するのだから、いくらで売ろうといいのだそうです。まるで明治・大正の地主と小作の関係だと思いました。家主は家賃で喰うべきで、電気で喰うものではないはずです。日本人が不動産に執着するようになったのは実に終戦後のことですが、それは結局、この国を支配しているのは正義ではなく、既得権に基づく力関係なのだということに皆が気づいたのと同時なのかも知れません。

第八巻

僕が生まれた頃、日本は貧しい国でした。父は月給取りで農地を持たず、米を手に入れるのに苦労したそうです。偉そうにふんぞり返る農家の人に何度も頭を下げながら、衣料品をほんのわずかの米と交換したそうです。平均すると現在、農家はサラリーマン世帯に比べ、所得は3割以上も高く、貯蓄額は約1000万円も多いのですが、しかも国際的な米相場の数倍もの値段でサラリーマンに米を押しつけ、一説によれば農家は納税額の数十倍もの補助金を得ています。あなたも農家になりたいですか?ところが新たに農業を始めるには約千平方メートル以上の農地がなければダメで、しかし農地は農民でなければ買えません。法律を変える?しかし農民一人がサラリーマン3人分の投票権を持つ国会で、いったい何ができるのでしょう。あろうことか裁判所はこれぞ平等と言っています。

第九巻

先物取引の業者が無差別に電話をかけて顧客を勧誘する行為がまかりとおっている国は、日本以外にはほとんどないのですが、数多い先物取引の裁判を見ると、例外なく業者の無差別勧誘が事件の発端となっています。ところが知識のないお年寄りなどが勧誘を受けて損をしても、欲に目が眩んだ被害者に責任があるとして冷淡な判決に終わることが多いのです。国にとって、先物業者が自分の監督下にある以上、業者の肩を持つのが当然かも知れませんが、被害者を積極的に保護しようとする判決はわずかです。業者の無差別勧誘に重罰を加えるという動きもありません。こうなれば被害にあわない方法はただひとつ。「赤の他人にわざわざ儲け話を電話してくるようなマヌケがいるわけがない」と自分に言い聞かせることしかないのです。

第十巻

今世界は資本主義国と共産主義国の二つだと思います。どちらの主義を採るにせよ民主主義を守ることには何人も異存はないはずです。ところで某政令指定都市の市長がゼネコン汚職でパクられました。彼は「選挙資金と聞いていた」と賄賂性を否定し、無罪を主張しています。彼は多数の人々から立派で有能な人物と認められて、選挙で当選したから市長になれたのです。もし市長が有罪になったら、投票した多数の市民の眼力は間違っていたことになります。有罪か無罪かの結果はいずれ出ますので、そのことについては結果が出次第、また単行本で述べたいと思います。

続きはこちら
ナニワ金融道 青木雄二語録 2
(十一巻から十九巻まで)

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