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ナニワ金融道 青木雄二語録 2

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青木雄二さんの書いた、「ナニワ金融道」という漫画があります。
1990年から1997年にかけて、週間モーニングで連載されていたものです。
単行本では全19巻。全261話収録です。

青木雄二さんは、肺がんにより58歳の若さで亡くなられました。

その背表紙に書かれていた、青木雄二語録を掲載します。
作者の本音が読み取れます。

作者没後も、「新ナニワ金融道」がスタートし、またスピンオフ的な「新ナニワ金融道外伝」、その続編となる、「新ナニワ金融道外伝ファイナル」があります。

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第十巻~第十九巻

第十巻

今世界は資本主義国と共産主義国の二つだと思います。どちらの主義を採るにせよ民主主義を守ることには何人も異存はないはずです。ところで某政令指定都市の市長がゼネコン汚職でパクられました。彼は「選挙資金と聞いていた」と賄賂性を否定し、無罪を主張しています。彼は多数の人々から立派で有能な人物と認められて、選挙で当選したから市長になれたのです。もし市長が有罪になったら、投票した多数の市民の眼力は間違っていたことになります。有罪か無罪かの結果はいずれ出ますので、そのことについては結果が出次第、また単行本で述べたいと思います。

第十一巻

高校1年の時、生徒会で議長が「賛成の方は手をあげてください」と言ったら、一人の3年生が「待て。いつも賛成から採るから、今日は反対から採れ」と意義を唱えました。結局、無視されましたが、僕は彼が大衆心理を見透かせる指導者的な人物だと思いました。ところで衆議院議員の選挙があると、オマケのように最高裁判事の国民審査があります。不信任にしたい判事に×を書き、白紙なら信任と見なすという投票です。常に賛成票は約9割を占めることになっていて、判事たちは緊張感のカケラも感じずに信任の儀式を通り抜けて行きます。唯我独尊の司法の独善と奢りを糺すためにも、たまには判事の国民審査のやり方を信任に○をつけるという方法で実施してみるべきだと思います。

第十二巻

大阪・泉州沖を埋め立てて、関西新空港が開港しました。造船業界からは航空母艦の親玉のような工法が提案されていました。全国の造船所で空港を部分ごとに製作し、泉州沖で一気につなげばよいのです。環境破壊も最小限、工事費も安く工事期間も短期で済ませられます。しかし結局、大手ゼネコンの推す埋め立て工法が採用されました。浮体工法が採用されなかったのは、かつての造船疑獄以来、政治屋へのリベートがタブーになったせいだと噂されました。埋め立て工法なら、肥え太るのは政治屋への献金がなかば日常と化した各業界です。しかしおかげで工事費や1兆5000億円を肥え、1日の金利だけで2億円です。もはや関西空港には、会社更生法を適用して倒産させ、借金を棒引きにするしか方法はありません。しかし元はと言えば、血税に吸い付くヒルのような政治屋のせいなのですから、情けなくなります。

第十三巻

サラリーマン(労働者)がトイチで100万円を借りれば、10日で10万の利息を支払わねばならず破綻してしまいます。ではサラリーマンが銀行に100万を1年間貸した(定期預金というかたちで)とすれば、おおよそ2万50円の利息が取れます。しかしさらに国家が介入して、源泉分離課税といって所得税15%、地方税5%、合計20%をピンハネします。実質手取りは1万6040円です。汗水たらして労働して得た現金を銀行に貸しても金利でメシは食えないしくみになっております。なぜ労働者階級はメシが食えないのでしょうか? それは労働者階級は自分を維持し再生産し、その肉体的な存在を絶やさないようにするためには、生存と繁殖に絶対欠くことのできない生活必需品(パン、米、みそ、しょうゆ、砂糖、石けん等)を得るだけの賃金しかもらえないしくみを国家と資本家が共謀しているからなのです。ですから資本主義社会において労働者階級は永久的によりよい生活など夢見ないことが賢明だと思います。

第十四巻

軽薄一郎は間抜けな大家ですが、一般には関西の大家は店子から敷金として家賃の10か月分を無利息で取り、金融機関に預けて肥っていきます。店子は転居の際には無条件で3ヶ月分を引かれる上に、壁や畳のリフォーム代まで容赦なく天引きされ、されに返還日は1ヵ月後などというような一方的な契約が多く、驚きます。「嫌なら借りるな」ですから、店子の悲哀を味わった者なら、わが家が欲しいと願うのは当然のことでしょう。僕は、やがてふたたび不動産神話は復活すると思います。都会では、巨大な貸しビルを古くから何件も所有しているような大家こそが信用され、権力をささえ合っているのですから、この構造を覆すことはなかなかできそうもありません。マッカーサーがいなかったら農地改革はできなかったように、借家人の悲哀を救うのにもまだ長い時間がかかるように思います。

第十五巻

なし

第十六巻

悪名高きトヨタ商事のマルチ商法はダイヤモンドと金でした。「この世で一番硬いものは何か」と質問すれば、日本国民は「ダイヤ」と答えられるくらい優秀です。では「ハンマーで叩いたらどうなるか」と質問するとどうでしょう。「ハンマーに食い込む」と答えますか? とんでもない間違いでダイヤは粉々に砕けてしまいます。つまりダイヤの硬さとは、引っかきに対する強さのことなのです。割れや欠けの強さである靭性(じんせい)とは別のことなのです。こういうことは学校の先生も知りません。うそだと思えば試してごらんなさい。また「この世で一番重たい物は何か」。それは白金(プラチナ)ですが、金にもホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールド等の表現があります。教師すらしらないのですから、これはもう文部省の責任と言っても差し支えないと思います。生活に即した教育がなされないため、1坪が何平方メートルかわからない若者がほとんどです。まず生きるための知恵を教える教育が大切なのではないのでしょうか。

第十七巻

灰原と末期は、船舶検査証書と船舶国籍証書の違いを知らなかったばかりにヘタを打つことになります。もとはと言えば、運輸省と法務省の縄張り争いが原因なのですから困ったことです。たとえ「お上」の太鼓判が押されていても、それを鵜呑みにするのは危険なことです。例えば、僕が漫画原稿を郵送する場合、大切なものですから、「書留」にして送ります。もし紛失されたら、100万ぐらいの賠償金が僕としては欲しいのですが、現実にはわずか10万円です。もし100万円欲しければ「損害要償額100万円の書留」と申し出て高い保険料を払う必要があるのです。ところが、この「損害要償額100万円の書留」で送ったとしても郵政省の監察係の人が、この原稿は20万円相当の価値しかないと判断したら、事故が起きても20万円までしか補償されません。そんな無茶なと言っても、郵政法で決まっていますから、取りつく島もありません。つまり無知が悪いのです。人間は死ぬまで知識の収集が必要な生き物なのかなあとつくづく思ってしまいます。

第十八巻

企業と民衆が争った場合、国家はその外に立って対立を和らげるように見えますが、その実、企業の側に立って民衆を押さえつけるという過去の事実(水俣病、スモン、森永ひ素、サリドマイドなど等々)があります。薬害エイズも実は同じことの繰り返しなのですが、マスコミは産・官・医の複合薬害とか言って元凶をボカしております。本当に問題なのは、民衆の犠牲を強(し)いてでも経済発展を優先させる資本主義の構造そのものにあります。そして、その資本主義の下では国家と企業が癒着するのは当然なのです。ただ、この問題は個人の思想や信条に触れる部分なので、学校では教えようとはしません。そのため僕の所に来るアシスタントも全員が「自由で民主主義ならいいだろう」ぐらいの気持ちで政権政党の自民党に一票を投じていました。文部省の教育方針は、世界観という哲学を隠蔽して民衆を従順な労働者に仕立て上げて世の中に送り出す政策に思えます。第二、第三の薬害を防ぐためには、このことを自覚した少数の人々が、自分の自覚したことを多数の人々に知らせていく以外に方法はないと思います。

第十九巻

97年5月、岐阜県御嵩(みたけ)町で産業廃棄物処分場建設の賛否を問う住民投票で、反対派が推進派を破って圧勝しました。この結果に対し、推進派は「これは勝ち負けの問題ではない。産廃が必要かどうかの問題だ」と申しております。しかし町民は決して地域エゴから反対した訳ではないと思います。建設を積極的に押し進める「県環境保全協会」の初代理事長を県知事が務め、建設を請け負う土建業者の会長がその副理事長におさまっているというカラクリに対して、納得いく説明を行政がしなかったからだと思います。同じ時期、問題となった諫早(いさはや)湾の干拓事業についても、ムツゴロウが争点のように言われましたが、本当に問題なのは公共事業をゴリ押しする行政への根源的な不信感です。霞ヶ関の官僚が大手ゼネコンの親族への婿入りや、または嫁取りをして、その後、自民党から政界へ進出するいう構図には、もうウンザリです。「町民には眼力があると感じた」と御嵩町長が言うように、このような権力のカラクリを見破り、キッパリとノーと言った町の人々に感心します。これが、地縁、血縁に縛られがちな保守的な日本の田舎町で起きたというのも画期的な出来事でした。

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(第一巻から第十巻まで)

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